Q&A



A 1 冬の朝、結露で窓のカーテンがびっしょり濡れて・・・。 困っています。
結露は開口部を断熱かすることで軽減されます。 結露はそのまま放置するとカビやダニが発生する原因ともなりますので、極力防ぎたいものです。 窓の結露対策としては、復層ガラスと断熱サッシの使用をおすすめします。

A 2 窓の結露はどうしてできるのですか?
あたたかい室内側の空気に含まれる水分が、ガラスの表面で冷やされて水滴となり結露します。複層ガラスにすると、外気温が低い寒い場合でも、室内側ガラス表面の温度はさがりませんので、結露が発生しにくくなります。(結露防止には、複層ガラスにすると同時に、「台所・浴室の湿気を換気扇で排出する」、「洗濯物を室内に干さない」など、部屋中の湿度を下げる工夫もひつようです。)

ワンポイントアドバイス

A 3 複層ガラスを使うと結露はまったくなくなるのですか?
部屋の中の湿度も関係しますので、まったくなくなるとはいえませんが、ガラス部分は結露しにくくなります。複層ガラスを使用すると、外のガラス1枚は冷やされても、中空層の断熱効果により、室内の空気にふれているガラスは冷えにくいからです。

A 4 複層ガラスの片方のガラスが割れました。割れたガラスだけを取り替えることはできますか?(注意:片方のガラスとは中空層をはさんで向い合っている室内側と室外側にある2枚のガラスの一枚をさします)
片方だけ取り替えることはできません。

ワンポイントアドバイス

A 5 大きな窓をつけたいのですが、冷房の効率が悪くなるのでしょうか?
大きな窓は日射を遮る工夫をしないと、外からの熱が侵入します。 そんな場合には、太陽の光は通しても熱は通しにくい「遮熱複層ガラス」にすることをおすすめします。

A 6 暖房してもリビングの窓際が寒いのですが、対策はありますか?
これは、窓の断熱性が低いために起こる現象で「冷輻射」と呼ばれています。 断熱性の高い開口部にすることで、こうした不快な冷輻射はほとんどなくなります。

ワンポイントアドバイス

A 7 すべての窓を断熱しないと省エネルギー効果はないのですか?
もちろん一部屋だけ窓断熱した場合でも、省エネ効果は発揮されますが、部屋から部屋への熱の移動が起こり、無駄なエネルギー消費が発生します。 できるだけ家全体をすっぽりと断熱材で覆った構造(窓は断熱窓)にされる事をおすすめします。

A 8 今使っているサッシにはどのくらいの厚さのガラスが入れられるのでしょうか?
1枚ガラスの入っている一般的な住宅サッシの場合、ガラス嵌め込み部分の広さ(溝幅)が9o、11oとなっています(サッシメーカーにより違う場合もあります)。
一般的には9o・11oの溝幅のサッシには、6.8oの網入(線入)までの厚さのガラスが嵌め込み用ガラスとして想定されていますが、ガラスとサッシの間に一定の間隔(面クリアランス)が必要となりますので、嵌め込み可能なガラス厚については、街のガラス屋さんにご相談ください。

ワンポイントアドバイス

A 9 一戸建てに住んでいますが、サッシはそのままでガラスだけ取り替えることはできますか?
ほとんどの場合可能です。一般的な住宅用サッシの場合、強化ガラス(厚さ4oか5o)や合わせガラス(総厚6o〜7o)や防犯ガラスの一部はそのまま取り替えることができます。ガラスの総厚が大きくなる場合(複層ガラスや網入ガラスを使った防犯ガラス・合わせガラスなど)はアタッチメントと呼ばれるアダプターを使ってサッシに取り付け可能となります。詳しくはお近くの街のガラス屋さんにご相談ください。

A 10 マンションに住んでいますが、窓ガラスの取替えはできますか?
取り替えはできますが、分譲マンションの場合、窓は共用部にあたりますので、管理組合の承諾が必要です。

ワンポイントアドバイス

A 11 開口部を断熱かするには、どの位の費用がかかりますか?
断熱化のコストアップは、おおむね建築費の2〜3%だと言われていますが、住まいを建てる地域や間取り、またサッシの種類や、窓の数、大きさなどによって差が出ますので、設計の段階で建築士、工務店によくご相談さださい。

A 12 ガラスを取り替えてもらうとき、材料代のほかにどんな費用がかかるの?
一般的には材料代のほかに、施工費と経費がかかります。経費には、出張費や交通費、撤去費(今お使いのガラスをはずす費用)副資材費(ガラスのはめ込みようビード、シリコーンなど)、廃材処理費などが入ります。
特殊なケースですが、ガラスの大きさや重量により施工が困難な場合や取り替え困難な場所で足場等組む必要のある場合等は、別途費用が必要です。事前に街のガラス屋さんにご相談されることをおすすめします。

ワンポイントアドバイス

A 13 ガラスだけ買ってきて自分で取替えはできますか?
必要な部材および道具を持ち、手順を把握していれば可能ですが、安全面を考えると、街のガラス屋さんに任せることをおすすめします。

A 14 安全ガラスをあらかじめ組み込んだ商品はありますか。
浴室用のドアがあります。ドア枠に、4ミリ型板強化ガラスが取り付けられた商品で、「開戸タイプ」と「折戸タイプ」があります。安全の最も要求される浴室に、「安全ガラス入り浴室ドア」をご採用ください。

ワンポイントアドバイス

A 15 住宅用の安全ガラスの価格はどのくらいするのですか。
新築の場合の価格は、透明の普通の板ガラス(5ミリ厚)に比べると、強化ガラス(4ミリ厚)は2倍強、会わせガラス(6ミリ厚)は4倍弱になります。住宅1戸当たりの板ガラスの使用枚数は平均26枚。そのうちケガをしやすいテラス窓や室内の出入口、玄関、浴室に使われているガラスは、約4割の10枚前後です。 一般に普通の板ガラスを使用した場合、建物の総建築費に占めるガラスの費用は以外に少なく、約1%程度です。 全面的に安全ガラスを使用しなくても、とりあえず危険な場所だけに安全ガラスを使用しても10枚前後ですから総建築費の割合からみても、わずかな額といってもいいでしょう。住まいに対する安心感、家族の安全な生活のために、やはり安全ガラスを取り入れたいものです。

A 16 住宅用の安全ガラスはどこに問い合わせればよいのですか。
お近くのガラス組合会員のお店または、ガラス組合にお問い合わせ下さい。

ワンポイントアドバイス

A 17 強化ガラスの不意の破損に備えて、被害の発生を避けるために、どんな予防措置を取ればよいのですか。
@ 次のような部位に強化ガラスを使用する場合は、強化合わせガラスとしたり、全面に飛散防止フイルムを貼るなどの落下防止措置をとられることをお薦めします。

アトリウムなどの屋根、スカイライト、トップライトなど水平に近い状態で使用していて、破損して脱落した場合に人がケガをするおそれがある場合。
ビルの窓など垂直な壁面に使用する場合でも、破損して脱落した時に人がケガをするおそれがある場合。
手摺用ガラスなどに使用する場合で、破損時に人が転落する危険性がある場合。
A ガラスが破損し、落下した場合に被害の発生を避けるため、下記のような設備は特に有効です。

ガラスの破片が下まで落下しないように、ひさしなどを設置する。
ガラスの破片が落下する可能性のある地点に人が近づくことがないように、植え込みなどを設置する。

A 18 鏡をくもらなくする方法はありますか?
鏡がくもるのは、空気中の暖かく湿っている水蒸気が、湿度の低い鏡の表面で冷やされて小さな水滴となり付着するためです。鏡(ガラス)は、熱伝導率が低いので、周囲の温度より鏡の温度が低くやりやすいのです。市販のくもり止め剤(液)を塗布したり、ヒーターを裏面に設置する(浴室は不可)などの対応策があります。

ワンポイントアドバイス

A 19 鏡に付着した白いウロコのような汚れが落ちないのですが
これは水道水に含まれるシリカ、カルシウムなどが空気中の汚染物質、鏡表面と化学反応を起こして強固に付着したものです。発生してしまうと除去するのに非常に困難(研磨剤での除去が必要)ですので、日常的にお手入れをおこなって、鏡表面を乾燥した状態にしてお使いください。

A 20 鏡には水銀が使用されているのですか?
明治末期頃まで、銅鏡やガラス鏡には水銀が使用されていましたが、現代のガラス鏡には純銀が使用されています。水銀等の有害金属は一切使用されていないのでご安心ください。破損品の廃棄については、板ガラスと同様ですので、各市町村・自治体のゴミ分別処理の条例に従って処分してください。

ワンポイントアドバイス

A 21 泥棒のいちばん多い侵入方法はなんだと思いますか。
侵入方法で最も多いのは、ガラス破りです。
では、どうしてガラス破りの割合が高いのでしょうか。それは、一般的に使われているガラスが数十秒で破られてしまうからです。防犯性能があると思われがちな網入りガラスも実際は数十秒で破られます。ガラスは泥棒に対してほとんど無防備。マンションにおいても、中層階のベランダは泥棒に狙われることが少ないにもかかわらず、ガラス破りはピッキングに次いで第二位です。






A 22 泥棒が侵入に手こずるとその家をあきらめます。 さて、泥棒の7割近くがあきらめる時間とは。
5分で侵入できなければ、7割近くがあきらめます。
防犯性能の高いガラスというと、どうしても「割れないガラス」をイメージしてしまいますが、そうではありません。ガラスを破って侵入しようとする泥棒に時間をかけさせ、あきらめさせるガラス。つまり「突き破りにくいガラス」が防犯性能の高いガラスです。

ワンポイントアドバイス


(機能ガラス普及推進協議会『ガラスと上手に暮らすレッスン』より)