ガラスの語源を探る

 ガラスという言葉は、オランダのGlsaからきました。 日本には、古くから瑠璃や玻璃という言葉があったものの。16世紀に入ってからはボードロやギヤマンなどともよばれました。
 瑠璃と玻璃は、インドから中国を経てきた言葉といわれます。 ビードロはポルトガル語のVidro、またギヤマンは、オランダ語のDia−mantからきたとか。 しかし、時代が進むにつれて「ガラス」が一般的に使われるようになったのです。


未来の家には
カーテン不要!?

スイッチひとつでガラスの明るさを自由にコントロールできるなんて、夢みたい。 「透過型エレクトロクロミック調光ガラス」という名のこのガラスは2枚の透明電導ガラス板の間に、酸化タングステン(WO)膜と電解質をはさんだもの。 これらがおこす電気化学反応で色が着いたり消えたりするわけです。 1日に10回ほど色を着・消色するとして10万回、30年近く使えるというからびっくり。 未来の家からカーテンはなくなるかも。


鏡のルーツ


 天照大神がもっていた八咫鏡が三種の神器のひとつだったように、古代人にとって、鏡はもともと神体。 『古事記』は、イシコリドメノミコトを、鏡ずくりの祖としています。
 私たちが顔や姿をうつす実用鏡の最初は、水鏡。 中国では銅製のタライに水をはり、「鑑」とよんでいました。 やがてエジプトで青銅の鏡が考案され、紀元前5世紀頃に、中国で工芸的に発達をとげたのです。
 15世紀には、イタリアがベネチアで、最初はガラス製鏡がつくられています。 17世紀にはフランスでも鏡の製造が盛んになり、ベルサイユ宮殿に「鏡の間」も誕生。 今日のように裏に銀をぬった鏡がつくられるようになったのは、19世紀になってからです。
(主婦と生活社刊『生活の雑学大辞典』より)
ガラスの起源

 ガラスの起源には、その土地・時代ともにはっきりした結論が出ていません。 一般にには紀元前数千年の、メソポタミアかエジプトだとされていますが、ガラスが比較的普及するようになったのは、紀元前1500年頃。
 同時代のものと考えられるガラスビーズはトンボ玉は、中国にもあります。 メソポタミアやエジプトの技術が、交流によって伝わったのです。
 日本最古のガラスは、紀元前3世紀から後3世紀頃までの弥生時代の遺跡から、勾玉、管玉、釧、壁として発見されています。 これらは中国製のガラスですが、日本で初めてガラスが製造されたのは、弥生時代の中期だといわれています。


時速240`に耐える
東北・上越新幹線の
フロントガラス

 雪深い土地を走るだけに、フロントガラスや窓ガラスには工夫がばっちり。 最高240`の風圧にも耐えられるよう、運転席には合わせガラス(5_+6_)が、大小4枚はめこまれています。 いずれもひし形に近い形で、正面の全面ガラス2枚は、一番長い部分が1508.5_、一番高い部分が571.2_。小さい側の引き戸はそれぞれ377.3_、351.0_になっています。
 また、客席に使われているガラスは、全部で3枚。 一番内側に5_
の強化ガラス、外側に合わせガラス(3_+5_)が使われ、間に空気が密封されています。 そのため、安全性を高め、結露防止にも効果を上げます。


鏡の中のミステリー

 アガサ・クリスティーが1962年に出した『鏡は矛にひび割れて』。 探偵がなにより好きなミス・マープルが、パーティの席で女性が変死した謎を、見事に解決します。 冒頭に掲げられたアルフレッド・テニスンの詩『レイディ・オブ・シャロット』が、ミステリーの伏線になっています。
 〈くもの糸は走り/ひろがれり/鏡は横にひび割れぬ/「ああ、呪いわが身に」と/シャロット姫は叫べり〉 (橋本福夫訳)

このページのTOPへ